大阪 河内長野市 観心寺で国宝金堂の亀腹(建物の土台となる盛り土の表面)の漆喰塗り替えをさせてもらいました。
40年前の金堂の大修理の際 塗り替えられてます。
しかし、その後、劣化が進んだため塗り替えることになりました。
写真は、漆喰と中塗りの層を剥がし作業です。
亀腹の古い漆喰と中塗りを剥がし終えたところです。
特に劣化の激しかった東面と西面は部分的に荒土の補修と大直し.
乾燥後 中塗りをします。
中塗りは耐久性、耐水性の高い土佐漆喰に土と砂を混ぜ合わせた『はんだ』と言う材料を塗り、
文化財用の麻ネットを全面に伏せこんみもう一度はんだを塗って、白い漆喰仕上げの下地を作る工程です。
今年の11月は雨が少なく気候も穏やかで、工事は順調に進めさしてもらえました。
中塗りの様子。
そして、12月上旬、漆喰仕上げ塗りをしました。
漆喰仕上げ塗りをし『こなし』と言って水引加減をみながらコテ押さえをします。
建物の壁は軒が深いので雨がかかる事は滅多にありません。
が、土台となる亀腹は樋のない大屋根からの雨垂れの跳ね返りをもろに受ける場所。
どうしても劣化が早くなりますが、時間をめいっぱい使って少しでも長持ちするよう丹念に押さえこんで行きます。
余談ですが、写真の鏝はこなし鏝と言って3万円もする高価な物。
鏝当たりと使い心地は抜群、漆喰仕上げがより一層楽しくなると言うものです。
観心寺金堂亀腹の漆喰仕上げ完了しました。
塗り替えアフター東、南側。
南、西側アフター。
経年劣化で足元が剥がれ落ちたり、汚れの酷かった亀腹がピカピカの漆喰の蘇りました。
北側アフター。
観心寺金堂は1000年以上の歴史があり、大阪府下で最古の国宝建築だそうです。
歴史上名だたる偉人たちが関わりを持った寺の貴重な建物工事をさせてもらいました。
それでは今年も有難うございました。
年末工事で、他にも紹介したい一般住宅の塗り壁の話はまだまだあったのですが、来年いくつか紹介します。
来年もよろしくお願いします。
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