国の重要文化財 Y様邸は、安永7年(西暦1778年)に建てられた 江戸時代の庄屋さん邸宅。
このような 歴史ある貴重な建物の修繕に携わらせてもらえることは 大変光栄なことです。
さて、前回は 土壁の中塗りまでをサッと紹介しましたが、それに引き続いて 漆喰仕上げの様子をちょこっと紹介します。
漆喰仕上げ開始。
十分 乾燥養生をさせた土壁に まず砂漆喰をぬります。
砂漆喰を塗らずに 土壁にいきなり漆喰を塗る工方もありますが、砂漆喰を塗るほうが 上塗りの水持ちが良く 鏝押さえがしっかりできるので、漆喰の強度が上がる とされてます。
恐らく それに加えて 下地との密着も良くなり 長持ちする事になると思います。
なので 私は外壁では たいてい砂漆喰を塗ってから仕上げます。
砂漆喰を 砂漆喰の水引きの具合を見て、漆喰の上塗り。
そして、むら直し と こなしの工程となります。
こなし工程、半焼こなし鏝で しっかりと伏せ込んでいきます。
漆喰の鏝押さえは ササッと終わらせようと思えば、0,5~0,3ミリの しなる鏝や プラ鏝で押さえるタイミングさえ間違わなければ、鏝押さえの回数少なくても パット見た目 程々には仕上げられます。
しかし、ここはしっかり基本通りに。
半焼こなしに続いて、本焼きこなし鏝で。
漆喰の表面に ツルツルで光沢が出てきます。
鏝押さえを ほとんどしていない漆喰壁と比較すると 表面が緻密になり、雨風に強く 汚れも付きにくい壁になるのです。
壁の仕上げが終わって のし瓦の鹿の子漆喰塗り。
軒裏の面戸漆喰の修繕なども。
そして、1階の塗り替え箇所も 仕上げて完了。
1階勝手口の 壁塗り替えアフター。
南面中2階(つし2階)アフター。
工事期間中 好天に恵まれて、何とか上手く 納期に収まりました。
ー関連記事ー
●漆喰塗りのご依頼が多いです(大阪・泉南にて)